既視感

上司に恥をかかせてしまった俺は、夕方、玄関に鞄を置いて、自室の扉を閉めた。

これからどう生きていけばいいか。絶望し、猛省し、あれこれと悩んだ。

サンダルで外に出て、西日の射す大通りを、ゆっくりと散歩する。

そのうちに、ひとつの解決策が、ぽこんと浮かんだ。

それでうまくいくかは、分からない。しかし前に進める確信があった。

「あれ、この風景にこの感情。」

ずっと前の記憶、ひょっとしたら、前世の俺も悩んでいたのかも。

ねえ、俺はこれからどう生きていけばいい?

せっかくなら教えてくれてもいいじゃない。

...デジャブは消え去っていた。

不思議と、笑みが残った。